大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
さて、今回からは借地借家法上について勉強します。
<借地権の種類>
借地法では、既存借地権のみであったが、借地借家法では、①普通借地権(借家法の既存借地権と同趣旨)の他、②定期借地権、③建物譲渡特約付借地権、④事業用借地権が新設された(なお、事業用借地権は平成19年に事業用借地権と事業用定期借地権に改正(平成20年1月1日施行))。
<借家権の種類>
借家法では、既存借家権のみであったが、借地借家法では、①普通借家権の他、②定期借家権、③取壊し予定の建物の賃貸借、④終身建物賃貸借が新設された。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
06-6398-9083
2016年4月30日土曜日
2016年4月15日金曜日
<既存借家権4>正当の事由
昭和16年改正部分です。
<正当の事由>
・賃貸人の更新拒絶又は解約申入れには「正当の事由」が必要(1の2)。
・正当の事由とは「家主と借家人双方の利害関係その他諸般の事情を考慮し、社会通念に照らし妥当と認めむべき理由」(最判昭29・1・22)
・立退料が正当事由の補完要素である(最判昭27・3・18)。
・立退料の支払いと引換えに立退き請求を認容することができる(最判昭46・11・25)
第1条ノ2 建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス
<正当の事由>
・賃貸人の更新拒絶又は解約申入れには「正当の事由」が必要(1の2)。
・正当の事由とは「家主と借家人双方の利害関係その他諸般の事情を考慮し、社会通念に照らし妥当と認めむべき理由」(最判昭29・1・22)
・立退料が正当事由の補完要素である(最判昭27・3・18)。
・立退料の支払いと引換えに立退き請求を認容することができる(最判昭46・11・25)
第1条ノ2 建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス
2016年4月10日日曜日
<旧法の借地契約9>地代等の増減請求(12)
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
本日は、地代等増減請求のお話しですが、現在では借地借家法が遡及適用されますのでさらっと。
<地代又は借賃の増減請求(一部S41改正)>
・地代又は土地の借賃(以下地代等)の額は当事者の合意により決まる。←昭和21年までは地代家賃統制令あり。
・租税その他公課の変動や経済事情の変化等により不相当となった場合、地代等の増減額請求権(12Ⅰ)
・不動産鑑定評価基準に定める継続賃料の鑑定評価手法を基準とする。
・一定期間地代等の増額をしない旨の定めは有効(12Ⅰ但)。減額しない旨の定めあっても減額請求できる(大判昭13・11・1)。
・地代等自動改定特約は、その改定基準が相当なものであれば有効(最判平15・6・12)。
・地主から増額請求あった場合、裁判確定までは借地人自ら相当と認める額を支払えば足りる(12Ⅱ)。逆に借地人が減額請求した場合、裁判確定までは地主が相当と認める額を支払う(12Ⅲ)。←S41改正点
・調停前置(民調24の2)
第12条 地代又ハ借賃カ土地ニ対スル租税其ノ他ノ公課ノ増減若ハ土地ノ価格ノ昂低ニ因リ又ハ比隣ノ土地ノ地代若ハ借賃ニ比較シテ不相当ナルニ至リタルトキハ契約ノ条件ニ拘ラス当事者ハ将来ニ向テ地代又ハ借賃ノ増減ヲ請求スルコトヲ得 但シ一定ノ期間地代又ハ借賃ヲ増加セサルヘキ特約アルトキハ其ノ定ニ従フ
2 地代又ハ借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマテハ相当ト認ムル地代又ハ借賃ヲ支払フヲ以テ足ル 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ附則アルトキハ不足額ニ年1割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス
3 地代又ハ借賃ノ減額ニ付額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル地代又ハ借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル地代又ハ借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年1割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
本日は、地代等増減請求のお話しですが、現在では借地借家法が遡及適用されますのでさらっと。
<地代又は借賃の増減請求(一部S41改正)>
・地代又は土地の借賃(以下地代等)の額は当事者の合意により決まる。←昭和21年までは地代家賃統制令あり。
・租税その他公課の変動や経済事情の変化等により不相当となった場合、地代等の増減額請求権(12Ⅰ)
・不動産鑑定評価基準に定める継続賃料の鑑定評価手法を基準とする。
・一定期間地代等の増額をしない旨の定めは有効(12Ⅰ但)。減額しない旨の定めあっても減額請求できる(大判昭13・11・1)。
・地代等自動改定特約は、その改定基準が相当なものであれば有効(最判平15・6・12)。
・地主から増額請求あった場合、裁判確定までは借地人自ら相当と認める額を支払えば足りる(12Ⅱ)。逆に借地人が減額請求した場合、裁判確定までは地主が相当と認める額を支払う(12Ⅲ)。←S41改正点
・調停前置(民調24の2)
第12条 地代又ハ借賃カ土地ニ対スル租税其ノ他ノ公課ノ増減若ハ土地ノ価格ノ昂低ニ因リ又ハ比隣ノ土地ノ地代若ハ借賃ニ比較シテ不相当ナルニ至リタルトキハ契約ノ条件ニ拘ラス当事者ハ将来ニ向テ地代又ハ借賃ノ増減ヲ請求スルコトヲ得 但シ一定ノ期間地代又ハ借賃ヲ増加セサルヘキ特約アルトキハ其ノ定ニ従フ
2 地代又ハ借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマテハ相当ト認ムル地代又ハ借賃ヲ支払フヲ以テ足ル 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ附則アルトキハ不足額ニ年1割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス
3 地代又ハ借賃ノ減額ニ付額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル地代又ハ借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル地代又ハ借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年1割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
2016年4月9日土曜日
<旧法の借地契約8>借地権の譲渡・転貸(9ノ2~10)
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
まだ、借地法が続きます。
<借地権の譲渡・転貸>
・借地権が地上権であれば譲渡・転貸に地主の承諾不要。
・借地権が土地賃借権であれば地主の承諾必要(民612Ⅰ)。承諾ないことは土地賃借権の解除原因(民612Ⅱ)。
・承諾なければ賃貸人に対し効力がなく、解除しなくても譲受人・転借人に建物収去土地明渡請求できる(最判昭26・5・31)。
・借地上の建物の譲渡により当然に借地権の譲渡・転貸となる(民87Ⅱ参照)。
・代諾許可の裁判の制度(9ノ2、9ノ3)については、従前の例によるとの借地借家法の附則はないため、借地借家法の規定が適用される。
(以下は参考まで)
・建物の譲渡・転貸の場合に限り、代諾許可の裁判(9ノ2Ⅰ)。
・承諾料は借地権価格の10%前後が目安。
・この裁判中に地主の建物優先買受けの申立をすることができる(9ノ2Ⅲ)。
・承諾ない場合、建物収去・土地明渡が原則のところ、譲受人・転借人による建物買取請求権(10)。この建物買取請求権の性質、内容等は契約更新されない場合の建物買取請求権(4Ⅱ)と同様。
・転々譲渡されている場合は、最後の譲受人が建物買取請求権を有する(大判昭9・4・24)
・競売又は公売の場合、2ヶ月以内に代諾許可の裁判を申し立てないと借地権を地主に対抗できない(9ノ3Ⅲ)。
民法第612条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
第9条ノ2 借地権者ガ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ第三者ニ譲渡セントスル場合ニ於テ其ノ第三者ガ賃借権ヲ取得シ又ハ転借スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利益ノ衝平ヲ図ル為必要アルトキハ賃借権ノ譲渡若ハ転貸ヲ条件トスル借地条件ノ変更ヲ命ジ又ハ其ノ許可ヲ財産上ノ給付ニ係ラシムルコトヲ得
2 裁判所ハ前項ノ裁判ヲ為スニハ賃借権ノ残存期間、借地ニ関スル従前ノ経過、賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ必要トスル事情其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス
3 第1項ノ申立アリタル場合ニ於テ裁判所ガ定ムル期間内ニ賃貸人ガ自ラ建物ノ譲渡及賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ受クベキ旨ノ申立ヲ為シタルトキハ裁判所ハ同項ノ規定ニ拘ラズ相当ノ対価及転貸ノ条件ヲ定メテ之ヲ命ズルコトヲ得 此ノ裁判ニ於テハ当事者双方ニ対シ其ノ義務ヲ同時ニ履行スベキコトヲ命ズルコトヲ得
4 前項ノ申立ハ第1項ノ申立ノ取下アリタルトキ又ハ不適法トシテ同項ノ申立ノ却下アリタルトキハ其ノ効力ヲ失フ
5 第3項ノ裁判アリタル後ハ第1項又ハ第3項ノ申立ハ当事者ノ合意アルニ非ザレバ之ヲ取下グルコトヲ得ズ
6 裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第1項又ハ第3項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
第9条ノ3 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ競売又ハ公売ニ因リ取得シタル場合ニ於テ其ノ第三者カ賃借権ヲ取得スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡ヲ承諾セサルトキハ裁判所ハ其ノ第三者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利点ノ衝平ヲ図ル為必要アルトキハ借地条件ヲ変更シ又ハ財産上ノ給付ヲ命ズルコトヲ得
2 前条第2項乃至第6項ノ規定ハ前項ノ申立アリタル場合ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ申立ハ建物ノ代金ヲ支払ヒタル後2月内ニ限リ之ヲ為スコトヲ得 民事調停法第19条ノ規定ハ同条ニ規定スル期間内ニ第1項ノ申立ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス
第9条ノ4 第9条ノ2ノ規定ハ土地ノ転借人ト賃貸人トノ間ニ、前条ノ規定ハ土地ノ転借人ヨリ競売又ハ公売ニ因リ建物ヲ取得シタル第三者ト賃貸人トノ間ニ之ヲ準用ス 但シ賃貸人カ第9条ノ2第3項(前条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ申立ヲ為スニハ転貸人ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス
第10条 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ取得シタル場合ニ於テ賃貸人カ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東弘嗣
電話06-6398-9083
まだ、借地法が続きます。
<借地権の譲渡・転貸>
・借地権が地上権であれば譲渡・転貸に地主の承諾不要。
・借地権が土地賃借権であれば地主の承諾必要(民612Ⅰ)。承諾ないことは土地賃借権の解除原因(民612Ⅱ)。
・承諾なければ賃貸人に対し効力がなく、解除しなくても譲受人・転借人に建物収去土地明渡請求できる(最判昭26・5・31)。
・借地上の建物の譲渡により当然に借地権の譲渡・転貸となる(民87Ⅱ参照)。
・代諾許可の裁判の制度(9ノ2、9ノ3)については、従前の例によるとの借地借家法の附則はないため、借地借家法の規定が適用される。
(以下は参考まで)
・建物の譲渡・転貸の場合に限り、代諾許可の裁判(9ノ2Ⅰ)。
・承諾料は借地権価格の10%前後が目安。
・この裁判中に地主の建物優先買受けの申立をすることができる(9ノ2Ⅲ)。
・承諾ない場合、建物収去・土地明渡が原則のところ、譲受人・転借人による建物買取請求権(10)。この建物買取請求権の性質、内容等は契約更新されない場合の建物買取請求権(4Ⅱ)と同様。
・転々譲渡されている場合は、最後の譲受人が建物買取請求権を有する(大判昭9・4・24)
・競売又は公売の場合、2ヶ月以内に代諾許可の裁判を申し立てないと借地権を地主に対抗できない(9ノ3Ⅲ)。
民法第612条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
第9条ノ2 借地権者ガ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ第三者ニ譲渡セントスル場合ニ於テ其ノ第三者ガ賃借権ヲ取得シ又ハ転借スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利益ノ衝平ヲ図ル為必要アルトキハ賃借権ノ譲渡若ハ転貸ヲ条件トスル借地条件ノ変更ヲ命ジ又ハ其ノ許可ヲ財産上ノ給付ニ係ラシムルコトヲ得
2 裁判所ハ前項ノ裁判ヲ為スニハ賃借権ノ残存期間、借地ニ関スル従前ノ経過、賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ必要トスル事情其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス
3 第1項ノ申立アリタル場合ニ於テ裁判所ガ定ムル期間内ニ賃貸人ガ自ラ建物ノ譲渡及賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ受クベキ旨ノ申立ヲ為シタルトキハ裁判所ハ同項ノ規定ニ拘ラズ相当ノ対価及転貸ノ条件ヲ定メテ之ヲ命ズルコトヲ得 此ノ裁判ニ於テハ当事者双方ニ対シ其ノ義務ヲ同時ニ履行スベキコトヲ命ズルコトヲ得
4 前項ノ申立ハ第1項ノ申立ノ取下アリタルトキ又ハ不適法トシテ同項ノ申立ノ却下アリタルトキハ其ノ効力ヲ失フ
5 第3項ノ裁判アリタル後ハ第1項又ハ第3項ノ申立ハ当事者ノ合意アルニ非ザレバ之ヲ取下グルコトヲ得ズ
6 裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第1項又ハ第3項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
第9条ノ3 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ競売又ハ公売ニ因リ取得シタル場合ニ於テ其ノ第三者カ賃借権ヲ取得スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡ヲ承諾セサルトキハ裁判所ハ其ノ第三者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利点ノ衝平ヲ図ル為必要アルトキハ借地条件ヲ変更シ又ハ財産上ノ給付ヲ命ズルコトヲ得
2 前条第2項乃至第6項ノ規定ハ前項ノ申立アリタル場合ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ申立ハ建物ノ代金ヲ支払ヒタル後2月内ニ限リ之ヲ為スコトヲ得 民事調停法第19条ノ規定ハ同条ニ規定スル期間内ニ第1項ノ申立ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス
第9条ノ4 第9条ノ2ノ規定ハ土地ノ転借人ト賃貸人トノ間ニ、前条ノ規定ハ土地ノ転借人ヨリ競売又ハ公売ニ因リ建物ヲ取得シタル第三者ト賃貸人トノ間ニ之ヲ準用ス 但シ賃貸人カ第9条ノ2第3項(前条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ申立ヲ為スニハ転貸人ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス
第10条 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ取得シタル場合ニ於テ賃貸人カ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東弘嗣
電話06-6398-9083
2016年4月8日金曜日
<旧法の借地契約7>借地条件の変更等(8ノ2、借地借家法附則10)
大阪の司法書士の伊東弘嗣です。
さあ、どんどん進めましょう。
これも、旧法時代に申し立てられたもの以外は借地借家法が遡及適用される場面なので、さらっとです。
<借地条件の変更等(S41改正)>
・地主の承諾なく自由に建物を築造することができるのが原則。もっとも、契約で定められている場合又は3条(非堅固建物所有みなし)と異なる種類・構造の建物を築造する場合、借地条件の変更の契約又は地主の承諾が必要となる。この場合、変更契約なしに又は承諾なしに異なる種類・構造の建物を築造すれば債務不履行を原因に契約が解除される可能性あり(但し、当該行為が背信行為に該当する必要がある。)。
・承諾が得られない場合は借地条件変更の裁判(8ノ2Ⅰ)。更地価格の10~15%の承諾料(8ノ2Ⅲ)。
・増改築についても土地所有者の承諾なく自由に増改築することができるのが原則であるが、増改築について制限する特約も有効。この場合の増改築には地主の承諾等必要。承諾ない場合は債務不履行解除の可能性。
・承諾が得られない場合は、増改築許可の裁判(8ノ2Ⅱ)。更地価格の3~5%の承諾料(8ノ2Ⅲ)。
第8条ノ2 防火地域ノ指定、附近ノ土地ノ利用状況ノ変化其ノ他ノ事情ノ変更ニ因リ現ニ借地権ヲ設定スルニ於テハ堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルコトヲ相当トスルニ至リタル場合ニ於テ堅固ノ建物以外ノ建物ヲ所有スル旨ノ借地条件ノ変更ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ裁判所ハ当事者ノ申立ニ因リ其ノ借地条件ヲ変更スルコトヲ得
2 増改築ヲ制限スル旨ノ借地条件ガ存スル場合ニ於テ土地ノ通常ノ利用上相当トスベキ増改築ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ増改築ニ付テノ土地所有者又ハ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得
3 裁判所ハ前2項ノ裁判ヲ為ス場合ニ於テ当事者間ノ利点ノ衡平ヲ図ル為必要アルトキハ他ノ借地条件ヲ変更シ、財産上ノ給付ヲ命ジ其ノ他相当ノ処分ヲ為スコトヲ得
4 裁判所ハ前3項ノ裁判ヲ為スニハ借地権ノ残存期間、土地ノ状況、借地ニ関スル従前ノ経過其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス
5 借地権者ガ更ニ借地権ヲ設定シタル場合ニ於テ必要アルトキハ裁判所ハ後ノ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ者ノ借地権及前ノ借地権者ノ借地権ニ付第1項乃至第3項ノ裁判ヲ為スコトヲ得
6 裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第1項乃至第3項又ハ前項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
借地借家法附則第10条 この法律の施行前にした申立てに係る借地条件の変更の事件については、なお従前の例による。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
さあ、どんどん進めましょう。
これも、旧法時代に申し立てられたもの以外は借地借家法が遡及適用される場面なので、さらっとです。
<借地条件の変更等(S41改正)>
・地主の承諾なく自由に建物を築造することができるのが原則。もっとも、契約で定められている場合又は3条(非堅固建物所有みなし)と異なる種類・構造の建物を築造する場合、借地条件の変更の契約又は地主の承諾が必要となる。この場合、変更契約なしに又は承諾なしに異なる種類・構造の建物を築造すれば債務不履行を原因に契約が解除される可能性あり(但し、当該行為が背信行為に該当する必要がある。)。
・承諾が得られない場合は借地条件変更の裁判(8ノ2Ⅰ)。更地価格の10~15%の承諾料(8ノ2Ⅲ)。
・増改築についても土地所有者の承諾なく自由に増改築することができるのが原則であるが、増改築について制限する特約も有効。この場合の増改築には地主の承諾等必要。承諾ない場合は債務不履行解除の可能性。
・承諾が得られない場合は、増改築許可の裁判(8ノ2Ⅱ)。更地価格の3~5%の承諾料(8ノ2Ⅲ)。
第8条ノ2 防火地域ノ指定、附近ノ土地ノ利用状況ノ変化其ノ他ノ事情ノ変更ニ因リ現ニ借地権ヲ設定スルニ於テハ堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルコトヲ相当トスルニ至リタル場合ニ於テ堅固ノ建物以外ノ建物ヲ所有スル旨ノ借地条件ノ変更ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ裁判所ハ当事者ノ申立ニ因リ其ノ借地条件ヲ変更スルコトヲ得
2 増改築ヲ制限スル旨ノ借地条件ガ存スル場合ニ於テ土地ノ通常ノ利用上相当トスベキ増改築ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ増改築ニ付テノ土地所有者又ハ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得
3 裁判所ハ前2項ノ裁判ヲ為ス場合ニ於テ当事者間ノ利点ノ衡平ヲ図ル為必要アルトキハ他ノ借地条件ヲ変更シ、財産上ノ給付ヲ命ジ其ノ他相当ノ処分ヲ為スコトヲ得
4 裁判所ハ前3項ノ裁判ヲ為スニハ借地権ノ残存期間、土地ノ状況、借地ニ関スル従前ノ経過其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス
5 借地権者ガ更ニ借地権ヲ設定シタル場合ニ於テ必要アルトキハ裁判所ハ後ノ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ者ノ借地権及前ノ借地権者ノ借地権ニ付第1項乃至第3項ノ裁判ヲ為スコトヲ得
6 裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第1項乃至第3項又ハ前項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
借地借家法附則第10条 この法律の施行前にした申立てに係る借地条件の変更の事件については、なお従前の例による。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
2016年4月7日木曜日
<旧法の借地契約6>契約更新されない場合の建物買取請求権(4Ⅱ、借地借家法附則9条)
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
では、借地契約に特有の建物買取請求権についてみていきましょう。
<契約更新されない場合の建物買取請求権(4Ⅱ)>
・存続期間が満了し、契約が合意更新されず、また、借地権者の更新請求又は土地の使用継続に対する地主の異議に正当事由(但し、土地の使用継続の場合は建物がなければ正当事由は不要(6Ⅱ))が認められれば借地権は期間満了により消滅する(4Ⅰ、6Ⅰ)。
この場合、建物収去・土地明渡(民269、616・598)が原則のところ、建物買取請求権を行使できる(4Ⅱ)。
・債務不履行解除の場合は建物買取請求権は認められない(最判昭35・2・9)。
もっとも、借地借家法では「存続期間の満了」の場合に限定され(同法13Ⅰ)、これは旧法の借地契約にも適用される(同法附則9Ⅰ反対解釈)。
・地主への意思表示で当然に売買契約が成立し、所有権移転義務と代金支払義務は同時履行(大判昭7・1・26)。→代金支払いまでは借地人は建物の引き渡しを拒むことができるが、地主に対し賃料相当損害金を支払わなければならない(最判昭35・9・20)。
・建物収去土地明渡認容判決確定後においても請求可(最判昭52・6・20)←時機に遅れたものではない。
・借地権消滅後10年で時効(最判昭42・7・20)
・借地権消滅後の建物買受人は建物買取請求権を有さない(大判昭16・6・20)
・建物の時価とは、建物が現存するままの状態における価格をいい、借地権価格は含まれないため、一般の建物価格に比べ低額となる。もっとも、建物の存在する場所的環境(裁判実務上借地権価格の20~30%)は参酌される(最判昭35・12・20)
・建物に抵当権が設定されていても建物の時価は減額されるべきではない(最判昭39・2・4)
・建物の時価の算定に当たっては、建物賃貸借の存在は当然に考慮される。
民法第616条 第594条第1項、第597条第1項及び第598条の規定は、賃貸借について準用する。
民法第598条 借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 借地権者ハ契約ノ更新ナキ場合ニ於テハ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
3 (省略)
第6条 借地権者借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 前項ノ場合ニ於テ建物アルトキハ土地所有ハ第4条第1項但書ニ規定スル事由アルニ非サレハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第10条 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ取得シタル場合ニ於テ賃貸人カ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
借地借家法第13条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
2 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
3 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。
借地借家法附則第9条 第13条第2項の規定は、この法律の施行前に設定された借地権については、適用しない。
2 第13条第3項の規定は、この法律の施行前に設定された転借地権については、適用しない。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
では、借地契約に特有の建物買取請求権についてみていきましょう。
<契約更新されない場合の建物買取請求権(4Ⅱ)>
・存続期間が満了し、契約が合意更新されず、また、借地権者の更新請求又は土地の使用継続に対する地主の異議に正当事由(但し、土地の使用継続の場合は建物がなければ正当事由は不要(6Ⅱ))が認められれば借地権は期間満了により消滅する(4Ⅰ、6Ⅰ)。
この場合、建物収去・土地明渡(民269、616・598)が原則のところ、建物買取請求権を行使できる(4Ⅱ)。
・債務不履行解除の場合は建物買取請求権は認められない(最判昭35・2・9)。
もっとも、借地借家法では「存続期間の満了」の場合に限定され(同法13Ⅰ)、これは旧法の借地契約にも適用される(同法附則9Ⅰ反対解釈)。
・地主への意思表示で当然に売買契約が成立し、所有権移転義務と代金支払義務は同時履行(大判昭7・1・26)。→代金支払いまでは借地人は建物の引き渡しを拒むことができるが、地主に対し賃料相当損害金を支払わなければならない(最判昭35・9・20)。
・建物収去土地明渡認容判決確定後においても請求可(最判昭52・6・20)←時機に遅れたものではない。
・借地権消滅後10年で時効(最判昭42・7・20)
・借地権消滅後の建物買受人は建物買取請求権を有さない(大判昭16・6・20)
・建物の時価とは、建物が現存するままの状態における価格をいい、借地権価格は含まれないため、一般の建物価格に比べ低額となる。もっとも、建物の存在する場所的環境(裁判実務上借地権価格の20~30%)は参酌される(最判昭35・12・20)
・建物に抵当権が設定されていても建物の時価は減額されるべきではない(最判昭39・2・4)
・建物の時価の算定に当たっては、建物賃貸借の存在は当然に考慮される。
民法第616条 第594条第1項、第597条第1項及び第598条の規定は、賃貸借について準用する。
民法第598条 借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 借地権者ハ契約ノ更新ナキ場合ニ於テハ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
3 (省略)
第6条 借地権者借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 前項ノ場合ニ於テ建物アルトキハ土地所有ハ第4条第1項但書ニ規定スル事由アルニ非サレハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第10条 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ取得シタル場合ニ於テ賃貸人カ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
借地借家法第13条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
2 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
3 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。
借地借家法附則第9条 第13条第2項の規定は、この法律の施行前に設定された借地権については、適用しない。
2 第13条第3項の規定は、この法律の施行前に設定された転借地権については、適用しない。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
2016年4月6日水曜日
<旧法の借地契約5>正当ノ事由(4,6,7、借地借家法附則14)
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
本日は、掘り下げればかなり深い「正当ノ事由」についてです。
<正当ノ事由>
・借地法の規定により、借地契約は全て期間の定めのある契約であり、契約期間満了により借地契約は消滅するのが原則。期間満了後も借地権を存続させるためには、契約の更新が必要であり、借地法では、合意更新(5参照)と法定更新(4、6参照)の規定が設けられている。
・法定更新の場合、地主は異議主張できるが、この異議には「正当ノ事由」が必要である。
・借地人の更新請求は建物が存する場合にのみ法定更新され(4Ⅰ本)、この更新に対する地主の異議に「正当ノ事由」が必要(4Ⅰ但)。
・借地権消滅後の土地使用継続による法定更新(6Ⅰ1文)に対する地主の異議は、建物が存在する場合には「正当ノ事由」が必要(6Ⅱ・4Ⅰ但)であり、建物が存在しない場合には正当ノ事由は不要。
・なお、建物滅失後の再築に対する異議には正当の事由は不要(7)。→期間満了時に正当ノ事由が判断される。
・土地所有者が自ら土地を使用することを必要とする場合その他正当の事由(4Ⅰ但)についての解釈については借地借家法に譲る。
・立退料は正当事由の補完要素であり(借家につき最判昭27・3・18)、立退料の申し出は事実審の口頭弁論終結時まで(最判平6・10・25)
・立退料と引換えに明け渡し請求を認容する判決ができる(借家につき最判昭38・3・1、最判昭46・11・25など)
・家主が申し出た立退料の額と格段の相違のない範囲内で裁判所が決定する額の立退料ならば、家主がその金額を支払う意思を表明して、その立退料の支払と引換えに家屋の立退きを求めている場合には、家主が明示した立退料の額を超える立退料の支払いと引換えに立退き要求を認容することができる(最判昭46・11・25)
・借地人が賃貸する建物の借家人の事情は、特段の事情のない限り、借地人側の事情として斟酌することは許されない(最判昭58・1・20)。→借地借家法附則14・借地借家法35により借家人は保護される。
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 (省略)
3 (省略)
第6条 借地権者カ借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 前項ノ場合ニ於テ建物アルトキハ土地所有ハ第4条第1項但書ニ規定スル事由アルニ非サレハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス 但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
借地借家法附則第6条 この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第7条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長に関してはなお、従前の例による。
2 (省略)
借地借家法附則第14条 第35条の規定は、この法律の施行前に又は施行後一年以内に借地権の存続期間が満了する場合には、適用しない。
借地借家法第35条 借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
2 前項の規定により裁判所が期限の許与をしたときは、建物の賃貸借は、その期限が到来することによって終了する。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東弘嗣
電話06-6398-9083
本日は、掘り下げればかなり深い「正当ノ事由」についてです。
<正当ノ事由>
・借地法の規定により、借地契約は全て期間の定めのある契約であり、契約期間満了により借地契約は消滅するのが原則。期間満了後も借地権を存続させるためには、契約の更新が必要であり、借地法では、合意更新(5参照)と法定更新(4、6参照)の規定が設けられている。
・法定更新の場合、地主は異議主張できるが、この異議には「正当ノ事由」が必要である。
・借地人の更新請求は建物が存する場合にのみ法定更新され(4Ⅰ本)、この更新に対する地主の異議に「正当ノ事由」が必要(4Ⅰ但)。
・借地権消滅後の土地使用継続による法定更新(6Ⅰ1文)に対する地主の異議は、建物が存在する場合には「正当ノ事由」が必要(6Ⅱ・4Ⅰ但)であり、建物が存在しない場合には正当ノ事由は不要。
・なお、建物滅失後の再築に対する異議には正当の事由は不要(7)。→期間満了時に正当ノ事由が判断される。
・土地所有者が自ら土地を使用することを必要とする場合その他正当の事由(4Ⅰ但)についての解釈については借地借家法に譲る。
・立退料は正当事由の補完要素であり(借家につき最判昭27・3・18)、立退料の申し出は事実審の口頭弁論終結時まで(最判平6・10・25)
・立退料と引換えに明け渡し請求を認容する判決ができる(借家につき最判昭38・3・1、最判昭46・11・25など)
・家主が申し出た立退料の額と格段の相違のない範囲内で裁判所が決定する額の立退料ならば、家主がその金額を支払う意思を表明して、その立退料の支払と引換えに家屋の立退きを求めている場合には、家主が明示した立退料の額を超える立退料の支払いと引換えに立退き要求を認容することができる(最判昭46・11・25)
・借地人が賃貸する建物の借家人の事情は、特段の事情のない限り、借地人側の事情として斟酌することは許されない(最判昭58・1・20)。→借地借家法附則14・借地借家法35により借家人は保護される。
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 (省略)
3 (省略)
第6条 借地権者カ借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 前項ノ場合ニ於テ建物アルトキハ土地所有ハ第4条第1項但書ニ規定スル事由アルニ非サレハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス 但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
借地借家法附則第6条 この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第7条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長に関してはなお、従前の例による。
2 (省略)
借地借家法附則第14条 第35条の規定は、この法律の施行前に又は施行後一年以内に借地権の存続期間が満了する場合には、適用しない。
借地借家法第35条 借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
2 前項の規定により裁判所が期限の許与をしたときは、建物の賃貸借は、その期限が到来することによって終了する。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東弘嗣
電話06-6398-9083
2016年4月5日火曜日
<旧法の借地契約4>契約の更新(4~6、借地借家法附則6)
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
さて、どんどん進みましょう。
<契約の更新>
・期間の定めのある賃借権契約は、契約により解約権を留保している場合や(民618)、土地の滅失(履行不能)、債務不履行による契約解除、合意による解約などの場合を除き、期間満了により終了するのが原則。したがって、期間満了後に借地権を存続させるには更新が必要となる(もっとも、借地契約において、地主が留保された解約権を行使することはできない(11))。
・民法では合意更新(民604Ⅱ参照、もっとも借地借家法は民604不適用(同法29Ⅱ)。)および法定更新(619Ⅰ、なお使用及び「収益」を継続した場合)であるが、借地法では合意更新(5参照)と法定更新(4、6参照)があり、法定更新は解約申入れ事由ではない。
・法定更新には、①借地権者の請求による場合(4)、②期間満了後の借地の使用継続による場合(6)がある。←期間満了すれば借地権が消滅するのが原則であるため、法定更新の際にも借地人の積極的な行動が必要となる。
・契約更新されない場合には、建物買取請求権行使可(4Ⅱ)。
・契約の更新に関する規定は、現在でも適用される(借地借家法附則6)。
<借地人の請求による場合(4Ⅰ)>
・建物が存在する場合に限る。
・もっとも、契約期間中に借地上の建物が滅失し、借地人が再築しようとしたのに地主がこれを禁止し、土地明渡しの調停を申し立て、調停係属中に期間満了した場合に、更新請求権を否定することは信義則上許されない(最判昭52・3・15)。
・地主が遅滞なく異議を述べなければ法定更新され、法定存続期間は堅固建物30年、非堅固20年(4Ⅲ・5Ⅰ、なお、4Ⅲは5Ⅱを準用していないためこれより長い期間を定められない。→借地借家法との違い。)。この異議には正当事由が必要。→正当事由の解釈については、新法による(借地借家法附則12)。
<期間満了後の借地の使用継続による場合(6Ⅰ)>
・建物の存在は要件ではない。←借地借家法は建物の存在する場合に限る。
・債務不履行に基づく解除の場合には6Ⅰは適用されない(最判昭49・7・12)。→このため借地借家法は「存続期間満了の場合」とした(借地借家法5Ⅱ)。
・地主が遅滞なく異議を述べなければ法定更新され、法定存続期間は堅固建物30年、非堅固20年(6Ⅰ2文・5Ⅰ、なお、6Ⅰは5Ⅱを準用していないためこれより長い期間を定められない。→借地借家法との違い)。建物があるとにきはこの異議には正当事由が必要。
民法第604条 (省略)
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。
民法第618条 当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。
民法第619条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。
2 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については、この限りでない。
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 (省略)
3 第5条第1項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第5条 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス 此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス
2 当事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
第6条 借地権者カ借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 (省略)
第11条 第2条、第4条乃至第8条ノ2、第9条ノ2(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス
借地借家法附則第6条 この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
さて、どんどん進みましょう。
<契約の更新>
・期間の定めのある賃借権契約は、契約により解約権を留保している場合や(民618)、土地の滅失(履行不能)、債務不履行による契約解除、合意による解約などの場合を除き、期間満了により終了するのが原則。したがって、期間満了後に借地権を存続させるには更新が必要となる(もっとも、借地契約において、地主が留保された解約権を行使することはできない(11))。
・民法では合意更新(民604Ⅱ参照、もっとも借地借家法は民604不適用(同法29Ⅱ)。)および法定更新(619Ⅰ、なお使用及び「収益」を継続した場合)であるが、借地法では合意更新(5参照)と法定更新(4、6参照)があり、法定更新は解約申入れ事由ではない。
・法定更新には、①借地権者の請求による場合(4)、②期間満了後の借地の使用継続による場合(6)がある。←期間満了すれば借地権が消滅するのが原則であるため、法定更新の際にも借地人の積極的な行動が必要となる。
・契約更新されない場合には、建物買取請求権行使可(4Ⅱ)。
・契約の更新に関する規定は、現在でも適用される(借地借家法附則6)。
<借地人の請求による場合(4Ⅰ)>
・建物が存在する場合に限る。
・もっとも、契約期間中に借地上の建物が滅失し、借地人が再築しようとしたのに地主がこれを禁止し、土地明渡しの調停を申し立て、調停係属中に期間満了した場合に、更新請求権を否定することは信義則上許されない(最判昭52・3・15)。
・地主が遅滞なく異議を述べなければ法定更新され、法定存続期間は堅固建物30年、非堅固20年(4Ⅲ・5Ⅰ、なお、4Ⅲは5Ⅱを準用していないためこれより長い期間を定められない。→借地借家法との違い。)。この異議には正当事由が必要。→正当事由の解釈については、新法による(借地借家法附則12)。
<期間満了後の借地の使用継続による場合(6Ⅰ)>
・建物の存在は要件ではない。←借地借家法は建物の存在する場合に限る。
・債務不履行に基づく解除の場合には6Ⅰは適用されない(最判昭49・7・12)。→このため借地借家法は「存続期間満了の場合」とした(借地借家法5Ⅱ)。
・地主が遅滞なく異議を述べなければ法定更新され、法定存続期間は堅固建物30年、非堅固20年(6Ⅰ2文・5Ⅰ、なお、6Ⅰは5Ⅱを準用していないためこれより長い期間を定められない。→借地借家法との違い)。建物があるとにきはこの異議には正当事由が必要。
民法第604条 (省略)
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。
民法第618条 当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。
民法第619条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。
2 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については、この限りでない。
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 (省略)
3 第5条第1項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第5条 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス 此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス
2 当事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
第6条 借地権者カ借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 (省略)
第11条 第2条、第4条乃至第8条ノ2、第9条ノ2(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス
借地借家法附則第6条 この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
2016年4月4日月曜日
<旧法の借地契約3>存続期間(2~7、借地借家法附則5~7)
大阪府豊中市の司法書士の伊東です。
さて、借地法の話が続きます。
<存続期間>
・民法では、期間の定めがなくても存続期間は20年を超えることができず、20年を超える期間を定めても20年となる(民604Ⅰ)。更新の際も同様(民604Ⅱ)→存続期間の上限を定めたにすぎず、存続期間を法定しているわけではない。
・借地法では、期間の定めのない契約であっても存続期間が法定され(2Ⅰ本)、全ての契約は期間の定めのある契約となる。つまり、借地契約には民法617条の適用がなく、自由に解約申入れをすることができない。
・借地契約の存続期間は借地上に築造する建物の種類(堅固の建物か否か)により異にしている。
・堅固の建物(堅固建物)として、石造、土造、煉瓦造又はこれに類する建物(2)をあげており、今日的には、鉄筋・鉄骨コンクリート造の建物がその代表的なもの。その他の建物(非堅固建物)とは、一般的に木造をいい、軽量鉄骨・鉄筋造の建物もこれに含まれる(実務解説借地借家法p.23)。
・借地契約に際し、建物の種類及び構造を定めなかったときは、非堅固建物所有を目的とするとみなされる(3)。
・契約で堅固建物所有30年以上と非堅固建物所有20年以上の存続期間を定めることができる(上限なし。2Ⅱ)。
・2Ⅱの期間より短い期間の契約は法定存続期間となる(最判昭44・11・26)
・存続期間の定めのない場合、法定存続期間は、堅固建物所有60年、非堅固建物所有30年(2Ⅰ本)
・契約更新後の存続期間は、法定更新・合意更新とも建物の種類により30年と20年(合意更新につき5Ⅰ1文、法定更新につき4Ⅲ・5Ⅰ(更新請求)、6Ⅰ2文・5Ⅰ(使用継続))。もっとも、合意更新の場合、合意でこれより長い期間とすることもできる(5Ⅱ)。
・契約の更新に関する規定は現在でも適用される(借地借家法附則6)。
<建物朽廃による借地権の消滅>
・存続期間内に借地上の建物が滅失しても借地権は消滅しないのが原則。
・もっとも、法定存続期間(法定更新の場合を含む)の満了前に建物が朽廃すると借地権は消滅する(最初の法定存続期間につき2Ⅰ但、合意更新につき5Ⅰ2文・2Ⅰ但、法定更新につき4Ⅲ・5Ⅰ及び6Ⅰ2文・5Ⅰ)
・「建物の朽廃」とは、時の経過によって、建物の使用資材が腐朽、損傷し、全体的に観察して、もはや建物としての社会的経済的効用を失ったとみられる場合(最判昭35・3・22)
・大規模修繕が加えられている場合は、当初の建物について当該修繕がなされなかった場合を想定して朽廃の有無を判断(最判昭42・9・21)
・大規模修繕後に(法定)更新があった場合、更新時の建物の状況を前提として朽廃の有無を判断(最判昭47・2・22)
・建物の朽廃による借地権消滅の規定は現在も適用される(借地借家法附則5)
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。 第617条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日
2 (省略)
第2条 借地権ノ存続期間ハ石造、土造、煉瓦造又ハ之ニ類スル堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ60年、其ノ他ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ30年トス 但シ建物カ此ノ期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅ス
2 契約ヲ以テ堅固ノ建物ニ付30年以上、其ノ他ノ建物ニ付20年以上ノ存続期間ヲ定メタルトキハ借地権ハ前項ノ規定ニ拘ラス其ノ期間ノ満了ニ因リテ消滅ス
第3条 契約ヲ以テ借地権ヲ設定スル場合ニ於テ建物ノ種類及構造ヲ定メサルトキハ借地権ハ堅固ノ建物以外ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノト看做ス
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 (省略)
3 第5条第1項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第5条 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス 此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス
2 当事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
第6条 借地権者カ借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 (省略)
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス 但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
借地借家法附則第5条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の朽廃による消滅に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第6条 この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第7条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長に関してはなお、従前の例による。
2 第8条の規定は、この法律の施行前に設定された借地権については、適用しない。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東弘嗣
電話06-6398-9083
さて、借地法の話が続きます。
<存続期間>
・民法では、期間の定めがなくても存続期間は20年を超えることができず、20年を超える期間を定めても20年となる(民604Ⅰ)。更新の際も同様(民604Ⅱ)→存続期間の上限を定めたにすぎず、存続期間を法定しているわけではない。
・借地法では、期間の定めのない契約であっても存続期間が法定され(2Ⅰ本)、全ての契約は期間の定めのある契約となる。つまり、借地契約には民法617条の適用がなく、自由に解約申入れをすることができない。
・借地契約の存続期間は借地上に築造する建物の種類(堅固の建物か否か)により異にしている。
・堅固の建物(堅固建物)として、石造、土造、煉瓦造又はこれに類する建物(2)をあげており、今日的には、鉄筋・鉄骨コンクリート造の建物がその代表的なもの。その他の建物(非堅固建物)とは、一般的に木造をいい、軽量鉄骨・鉄筋造の建物もこれに含まれる(実務解説借地借家法p.23)。
・借地契約に際し、建物の種類及び構造を定めなかったときは、非堅固建物所有を目的とするとみなされる(3)。
・契約で堅固建物所有30年以上と非堅固建物所有20年以上の存続期間を定めることができる(上限なし。2Ⅱ)。
・2Ⅱの期間より短い期間の契約は法定存続期間となる(最判昭44・11・26)
・存続期間の定めのない場合、法定存続期間は、堅固建物所有60年、非堅固建物所有30年(2Ⅰ本)
・契約更新後の存続期間は、法定更新・合意更新とも建物の種類により30年と20年(合意更新につき5Ⅰ1文、法定更新につき4Ⅲ・5Ⅰ(更新請求)、6Ⅰ2文・5Ⅰ(使用継続))。もっとも、合意更新の場合、合意でこれより長い期間とすることもできる(5Ⅱ)。
・契約の更新に関する規定は現在でも適用される(借地借家法附則6)。
<建物朽廃による借地権の消滅>
・存続期間内に借地上の建物が滅失しても借地権は消滅しないのが原則。
・もっとも、法定存続期間(法定更新の場合を含む)の満了前に建物が朽廃すると借地権は消滅する(最初の法定存続期間につき2Ⅰ但、合意更新につき5Ⅰ2文・2Ⅰ但、法定更新につき4Ⅲ・5Ⅰ及び6Ⅰ2文・5Ⅰ)
・「建物の朽廃」とは、時の経過によって、建物の使用資材が腐朽、損傷し、全体的に観察して、もはや建物としての社会的経済的効用を失ったとみられる場合(最判昭35・3・22)
・大規模修繕が加えられている場合は、当初の建物について当該修繕がなされなかった場合を想定して朽廃の有無を判断(最判昭42・9・21)
・大規模修繕後に(法定)更新があった場合、更新時の建物の状況を前提として朽廃の有無を判断(最判昭47・2・22)
・建物の朽廃による借地権消滅の規定は現在も適用される(借地借家法附則5)
<建物滅失後の再築による期間の延長(7)>
・建物滅失しても借地権は消滅せず、また、借地人は、土地所有者の承諾なく自由に建物を再築できるのが原則。
・もっとも、建物の種類、構造、規模、用途について借地条件が定められている場合に、これと異なる建物を再築するには地主の同意必要である。
・また、増改築制限特約ある場合は、再築には地主の承諾必要である。
・ 存続期間満了前に建物が滅失した場合において(但し、法定存続期間に建物朽廃すれば借地権消滅。)、残存期間を超えて存続する建物 を再築することに地主が遅滞なく異議を述べなければ、滅失の日から堅固建物の再築の場合30年、非堅固20年存続期間延長し、合意によりこれより長くすることもできる(7、借地借家法は地主の承諾が必要。)。
・建物の滅失とは、自然的であっても人工的であっても、また、借地人が任意に取り壊したか否かにかかわらず、建物が滅失した場合の一切の場合をいう(最判昭38・5・21)。
・この異議に再築を阻止する効力はないが、従前の期間満了時における更新拒絶の際の正当事由の判断にあたり考慮される。
・再築にあたり、存続期間を超えて存続する建物を建築しない旨の特約は無効(最判昭33・1・23)。
・この規定は現在でも適用される(借地借家法附則7Ⅰ)。
・なお、借地借家法では、契約更新後の期間に建物滅失した場合、地主は借地契約の解約申入れができるが(借地借家法8)、この規定は、旧法の借地契約には適用されない(借地借家法附則7Ⅱ)。
第604条 賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする。 ・建物滅失しても借地権は消滅せず、また、借地人は、土地所有者の承諾なく自由に建物を再築できるのが原則。
・もっとも、建物の種類、構造、規模、用途について借地条件が定められている場合に、これと異なる建物を再築するには地主の同意必要である。
・また、増改築制限特約ある場合は、再築には地主の承諾必要である。
・ 存続期間満了前に建物が滅失した場合において(但し、法定存続期間に建物朽廃すれば借地権消滅。)、残存期間を超えて存続する建物 を再築することに地主が遅滞なく異議を述べなければ、滅失の日から堅固建物の再築の場合30年、非堅固20年存続期間延長し、合意によりこれより長くすることもできる(7、借地借家法は地主の承諾が必要。)。
・建物の滅失とは、自然的であっても人工的であっても、また、借地人が任意に取り壊したか否かにかかわらず、建物が滅失した場合の一切の場合をいう(最判昭38・5・21)。
・この異議に再築を阻止する効力はないが、従前の期間満了時における更新拒絶の際の正当事由の判断にあたり考慮される。
・再築にあたり、存続期間を超えて存続する建物を建築しない旨の特約は無効(最判昭33・1・23)。
・この規定は現在でも適用される(借地借家法附則7Ⅰ)。
・なお、借地借家法では、契約更新後の期間に建物滅失した場合、地主は借地契約の解約申入れができるが(借地借家法8)、この規定は、旧法の借地契約には適用されない(借地借家法附則7Ⅱ)。
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。 第617条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日
2 (省略)
第2条 借地権ノ存続期間ハ石造、土造、煉瓦造又ハ之ニ類スル堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ60年、其ノ他ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ30年トス 但シ建物カ此ノ期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅ス
2 契約ヲ以テ堅固ノ建物ニ付30年以上、其ノ他ノ建物ニ付20年以上ノ存続期間ヲ定メタルトキハ借地権ハ前項ノ規定ニ拘ラス其ノ期間ノ満了ニ因リテ消滅ス
第3条 契約ヲ以テ借地権ヲ設定スル場合ニ於テ建物ノ種類及構造ヲ定メサルトキハ借地権ハ堅固ノ建物以外ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノト看做ス
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 (省略)
3 第5条第1項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第5条 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス 此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス
2 当事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
第6条 借地権者カ借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 (省略)
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス 但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
借地借家法附則第5条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の朽廃による消滅に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第6条 この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第7条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長に関してはなお、従前の例による。
2 第8条の規定は、この法律の施行前に設定された借地権については、適用しない。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東弘嗣
電話06-6398-9083
2016年4月3日日曜日
<旧法の借地契約2>借地権の対抗力(建保1、借地借家法附則4、8)
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
続いて、借地権の対抗力のお話しです。
<借地権の対抗力>
・地上権、賃借権は登記をすれば第三者に対抗できる(民177、605)が、賃借権には登記請求権がない(大判大10・7・11)。→建物の登記があれば借地権を第三者に対抗できるとした(建保法1、なお借地借家法10)。
・現在でも対抗力あり(借地借家法附則4条)。
・建物の登記は表示登記で足りる(最判昭50・2・13)
・建物滅失した場合、建物の登記の効力失われ、対抗力は認められなくなるのが原則であるが、借地借家法には建物滅失の場合の対抗力付与の方法あり(借地借家法10Ⅱ)、これは旧法の借地契約であっても、借地借家法施行後に滅失した建物に適用される(借地借家法附則8の反対解釈)。
・建保法1条の対抗要件を備えていても、借地上建物の競落人は、借地権の譲渡を土地所有者に対抗できない(大判昭7・3・7)。
民法第177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
民法第605条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。
建物保護二関スル法律第1条 建物ノ所有ヲ目的トスル地上権又ハ土地ノ賃借権ニ因リ地上権者又ハ土地ノ賃借人カ其ノ土地ノ上ニ登記シタル建物ヲ有スルトキハ地上権又ハ土地ノ賃貸借ハ其ノ登記ナキモ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得
借地借家法附則第4条 この法律の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、附則第2条の規定による廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力を妨げない。
借地借家法第10条 (省略)
2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
3 (省略)
4 (省略)
借地借家法附則第8条 第10条第2項の規定は、この法律の施行前に借地権の目的である土地の上の建物の滅失があった場合には、適用しない。
続いて、借地権の対抗力のお話しです。
<借地権の対抗力>
・地上権、賃借権は登記をすれば第三者に対抗できる(民177、605)が、賃借権には登記請求権がない(大判大10・7・11)。→建物の登記があれば借地権を第三者に対抗できるとした(建保法1、なお借地借家法10)。
・現在でも対抗力あり(借地借家法附則4条)。
・建物の登記は表示登記で足りる(最判昭50・2・13)
・建物滅失した場合、建物の登記の効力失われ、対抗力は認められなくなるのが原則であるが、借地借家法には建物滅失の場合の対抗力付与の方法あり(借地借家法10Ⅱ)、これは旧法の借地契約であっても、借地借家法施行後に滅失した建物に適用される(借地借家法附則8の反対解釈)。
・建保法1条の対抗要件を備えていても、借地上建物の競落人は、借地権の譲渡を土地所有者に対抗できない(大判昭7・3・7)。
民法第177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
民法第605条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。
建物保護二関スル法律第1条 建物ノ所有ヲ目的トスル地上権又ハ土地ノ賃借権ニ因リ地上権者又ハ土地ノ賃借人カ其ノ土地ノ上ニ登記シタル建物ヲ有スルトキハ地上権又ハ土地ノ賃貸借ハ其ノ登記ナキモ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得
借地借家法附則第4条 この法律の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、附則第2条の規定による廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力を妨げない。
借地借家法第10条 (省略)
2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
3 (省略)
4 (省略)
借地借家法附則第8条 第10条第2項の規定は、この法律の施行前に借地権の目的である土地の上の建物の滅失があった場合には、適用しない。
2016年4月2日土曜日
<旧法の借地契約1>借地法の対象(1、9、借地借家法附則2、4)
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
借地借家法の施行により、建物保護に関する法律、借地法及び借家法は廃止され(借地借家法附則2)、借地借家法附則に特別の定めある場合を除き、法施行前に生じた事項にも遡及して借地借家法が適用されます(借地借家法附則4本文)。もっとも、廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力は妨げられません(借地借家法附則4但)。
したがって、旧法時代の借地契約に出くわした場合、現在でも認めらる借地法の効力と、特別の定めがあり適用される借地法の規定について知っておく必要があります。
それでは、旧法時代の借地契約の勉強を始めましょう。
借地借家法附則第2条 次に掲げる法律は、廃止する。
1 建物保護に関する法律
2 借地法
3 借家法
借地借家法附則第4条 この法律の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、附則第2条の規定による廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力を妨げない。
<借地法の対象>
・借地借家法と同様に、建物所有を目的とする地上権と土地の賃借権が対象である(1、詳しくは借地借家法1)。
・建物所有を目的としていればよく、現に建物が存する必要はない(1、詳しくは借地借家法1)。
・借地の一時使用の場合、借地法の一部の規定(2~8ノ2)は適用されない(9、詳しくは借地借家法25)。
第1条 本法ニ於テ借地権ト称スルハ建物ノ所有ヲ目的トスル地上権及賃借権ヲ謂フ
第9条 第2条乃至前条ノ規定ハ臨時設備其ノ他一時使用ノ為借地権ヲ設定シタルコト明ナル場合ニハ之ヲ適用セス
借地借家法の施行により、建物保護に関する法律、借地法及び借家法は廃止され(借地借家法附則2)、借地借家法附則に特別の定めある場合を除き、法施行前に生じた事項にも遡及して借地借家法が適用されます(借地借家法附則4本文)。もっとも、廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力は妨げられません(借地借家法附則4但)。
したがって、旧法時代の借地契約に出くわした場合、現在でも認めらる借地法の効力と、特別の定めがあり適用される借地法の規定について知っておく必要があります。
それでは、旧法時代の借地契約の勉強を始めましょう。
借地借家法附則第2条 次に掲げる法律は、廃止する。
1 建物保護に関する法律
2 借地法
3 借家法
借地借家法附則第4条 この法律の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、附則第2条の規定による廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力を妨げない。
<借地法の対象>
・借地借家法と同様に、建物所有を目的とする地上権と土地の賃借権が対象である(1、詳しくは借地借家法1)。
・建物所有を目的としていればよく、現に建物が存する必要はない(1、詳しくは借地借家法1)。
・借地の一時使用の場合、借地法の一部の規定(2~8ノ2)は適用されない(9、詳しくは借地借家法25)。
第1条 本法ニ於テ借地権ト称スルハ建物ノ所有ヲ目的トスル地上権及賃借権ヲ謂フ
第9条 第2条乃至前条ノ規定ハ臨時設備其ノ他一時使用ノ為借地権ヲ設定シタルコト明ナル場合ニハ之ヲ適用セス
2016年4月1日金曜日
沿革
大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。
私の事務所では、借地借家関係の相談をこれまで受けてきていますが、借地借家法は司法書士試験の受験科目ではない上に奥が深く、これまでずっとどこかのタイミングで体系的に勉強をしたいと考えていました。
そこで今回、このブログを書くことをきっかけに借地借家法について体系的に理解を深めて行くことにします。
私の事務所では、借地借家関係の相談をこれまで受けてきていますが、借地借家法は司法書士試験の受験科目ではない上に奥が深く、これまでずっとどこかのタイミングで体系的に勉強をしたいと考えていました。
そこで今回、このブログを書くことをきっかけに借地借家法について体系的に理解を深めて行くことにします。
それでは、始めましょう。
<借地借家法の沿革>
・明治23制定された旧民法(ボアソナード民法)では、不動産利用権として用益権(他人の所有物をその用法に従い、その物の性質本体を変えることなく、有期で使用及び収益することができる権利)、使用権(使用者及びその家族の需要の程度に限られた用益権)、住居権(建物の使用権)、賃借権、永借権、地上権が規定されており、賃借権に物権性を認め、その譲渡の自由を保障した画期的なものであったが、施行は延期。
・明治31・7・16明治民法施行、建物所有のための土地利用権には物権である地上権と債権である賃借権の2本立て、建物利用関係は賃借権のみ。地上権も賃借権も登記がなければ第三者に対抗できないと明文で規定された(明治民法177、605)。
・日清・日露戦争(明治27~38)、地租改正や都市部への人口流入の影響で都市部で地代の値上げが恒常化。これに応じない借地人に対し地震売買(登記がなければ賃借権を対抗できないことを利用した借地人の排除)が横行。明治42年「建物保護ニ関スル法律(建物保護法)」が成立し、建物の登記をもって借地権の第三者対抗力を認める。
・大正10年4月8日、借地法、借家法成立、東京・大阪の一部に施行。昭和14年大阪、兵庫、京都等の府県、昭和16年改正と同時に全国に適用。
・建物保護法や借家法で対抗力を認めても、期間満了の際の更新が保証されていないと、借地人・借家人の地位は不安定。そこで、昭和16年改正、更新拒絶や解約申入に「正当ノ事由」が必要となる。
・昭和41年改正
非堅固から堅固建物への借地条件変更及び増改築、建物譲渡に伴う土地賃借権の譲渡・転貸、建物競売に伴う敷地借地権の譲渡につき裁判所の代諾許可制度の創設。
地代家賃増減請求中の地代家賃の処理についての規定。
相続人不存在の場合の借家権の帰属
・昭和60年12月31日地代家賃統制令失効。
・平成4年8月1日、借地借家法施行。
(借地関係)
法定存続期間は、堅固(借地法60年)・非堅固(30年)にかかわらず、30年。最初の更新後は20年、その後の更新後は10年。
法定更新は、すべて建物が存する場合に限る。
法定存続期間中の建物朽廃によっても借地権は存続。→再築可能
建物再築の際、土地所有者の承諾あれば、存続期間伸長(借地法では遅滞なく異議)。
更新後の承諾なき再築は存続期間中の解約原因となる。
立退料が正当事由の一要素となる。
更新のない借地権として、定期借地権、建物譲渡特約付借地権及び事業用借地権の新設。
自己借地権の創設。
建物滅失の際の対抗力の付与方法。
(借家関係)
更新のない借家権として、賃貸人の不在期間及び取り壊し予定の建物の賃貸借
造作買取請求権を任意規定に。
建物の利用行為について「建物の使用及び収益」としてたものを「建物の使用」に。
(借地借家共通)
地代・家賃増減請求を調停前置に。
借地借家法附則に特別の定めある場合を除き、同法施行前に生じた事項にも適用されるが、廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力は妨げられない。
・平成12年3月1日施行「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」。
賃貸人の不在期間の賃貸借を、定期建物賃貸借に改正。
民法604条の建物賃貸借への不適用
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。
・平成13年制定「高齢者の住居の安定確保に関する法律」。終身建物賃貸借を認める。
・平成20年1月1日施行「借地借家法の一部を改正する法律」。
事業用借地権の存続期間を10年以上30年未満とする。
事業用定期借地権を新設。存続期間を30年以上50年未満とする。
地代・家賃増減請求を調停前置に。
借地借家法附則に特別の定めある場合を除き、同法施行前に生じた事項にも適用されるが、廃止前の建物保護に関する法律、借地法及び借家法の規定により生じた効力は妨げられない。
・平成12年3月1日施行「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」。
賃貸人の不在期間の賃貸借を、定期建物賃貸借に改正。
民法604条の建物賃貸借への不適用
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。
・平成13年制定「高齢者の住居の安定確保に関する法律」。終身建物賃貸借を認める。
・平成20年1月1日施行「借地借家法の一部を改正する法律」。
事業用借地権の存続期間を10年以上30年未満とする。
事業用定期借地権を新設。存続期間を30年以上50年未満とする。
未だ借地法・借家法の時代の契約が残っていることも多くありますので、借地借家法だけでなく借地法・借家法の勉強も必須です。
次回からは、まず借地法について見て行くことにしましょう。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
次回からは、まず借地法について見て行くことにしましょう。
〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東 弘嗣
電話06-6398-9083
登録:
投稿 (Atom)