さて、借地法の話が続きます。
<存続期間>
・民法では、期間の定めがなくても存続期間は20年を超えることができず、20年を超える期間を定めても20年となる(民604Ⅰ)。更新の際も同様(民604Ⅱ)→存続期間の上限を定めたにすぎず、存続期間を法定しているわけではない。
・借地法では、期間の定めのない契約であっても存続期間が法定され(2Ⅰ本)、全ての契約は期間の定めのある契約となる。つまり、借地契約には民法617条の適用がなく、自由に解約申入れをすることができない。
・借地契約の存続期間は借地上に築造する建物の種類(堅固の建物か否か)により異にしている。
・堅固の建物(堅固建物)として、石造、土造、煉瓦造又はこれに類する建物(2)をあげており、今日的には、鉄筋・鉄骨コンクリート造の建物がその代表的なもの。その他の建物(非堅固建物)とは、一般的に木造をいい、軽量鉄骨・鉄筋造の建物もこれに含まれる(実務解説借地借家法p.23)。
・借地契約に際し、建物の種類及び構造を定めなかったときは、非堅固建物所有を目的とするとみなされる(3)。
・契約で堅固建物所有30年以上と非堅固建物所有20年以上の存続期間を定めることができる(上限なし。2Ⅱ)。
・2Ⅱの期間より短い期間の契約は法定存続期間となる(最判昭44・11・26)
・存続期間の定めのない場合、法定存続期間は、堅固建物所有60年、非堅固建物所有30年(2Ⅰ本)
・契約更新後の存続期間は、法定更新・合意更新とも建物の種類により30年と20年(合意更新につき5Ⅰ1文、法定更新につき4Ⅲ・5Ⅰ(更新請求)、6Ⅰ2文・5Ⅰ(使用継続))。もっとも、合意更新の場合、合意でこれより長い期間とすることもできる(5Ⅱ)。
・契約の更新に関する規定は現在でも適用される(借地借家法附則6)。
<建物朽廃による借地権の消滅>
・存続期間内に借地上の建物が滅失しても借地権は消滅しないのが原則。
・もっとも、法定存続期間(法定更新の場合を含む)の満了前に建物が朽廃すると借地権は消滅する(最初の法定存続期間につき2Ⅰ但、合意更新につき5Ⅰ2文・2Ⅰ但、法定更新につき4Ⅲ・5Ⅰ及び6Ⅰ2文・5Ⅰ)
・「建物の朽廃」とは、時の経過によって、建物の使用資材が腐朽、損傷し、全体的に観察して、もはや建物としての社会的経済的効用を失ったとみられる場合(最判昭35・3・22)
・大規模修繕が加えられている場合は、当初の建物について当該修繕がなされなかった場合を想定して朽廃の有無を判断(最判昭42・9・21)
・大規模修繕後に(法定)更新があった場合、更新時の建物の状況を前提として朽廃の有無を判断(最判昭47・2・22)
・建物の朽廃による借地権消滅の規定は現在も適用される(借地借家法附則5)
<建物滅失後の再築による期間の延長(7)>
・建物滅失しても借地権は消滅せず、また、借地人は、土地所有者の承諾なく自由に建物を再築できるのが原則。
・もっとも、建物の種類、構造、規模、用途について借地条件が定められている場合に、これと異なる建物を再築するには地主の同意必要である。
・また、増改築制限特約ある場合は、再築には地主の承諾必要である。
・ 存続期間満了前に建物が滅失した場合において(但し、法定存続期間に建物朽廃すれば借地権消滅。)、残存期間を超えて存続する建物 を再築することに地主が遅滞なく異議を述べなければ、滅失の日から堅固建物の再築の場合30年、非堅固20年存続期間延長し、合意によりこれより長くすることもできる(7、借地借家法は地主の承諾が必要。)。
・建物の滅失とは、自然的であっても人工的であっても、また、借地人が任意に取り壊したか否かにかかわらず、建物が滅失した場合の一切の場合をいう(最判昭38・5・21)。
・この異議に再築を阻止する効力はないが、従前の期間満了時における更新拒絶の際の正当事由の判断にあたり考慮される。
・再築にあたり、存続期間を超えて存続する建物を建築しない旨の特約は無効(最判昭33・1・23)。
・この規定は現在でも適用される(借地借家法附則7Ⅰ)。
・なお、借地借家法では、契約更新後の期間に建物滅失した場合、地主は借地契約の解約申入れができるが(借地借家法8)、この規定は、旧法の借地契約には適用されない(借地借家法附則7Ⅱ)。
第604条 賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする。 ・建物滅失しても借地権は消滅せず、また、借地人は、土地所有者の承諾なく自由に建物を再築できるのが原則。
・もっとも、建物の種類、構造、規模、用途について借地条件が定められている場合に、これと異なる建物を再築するには地主の同意必要である。
・また、増改築制限特約ある場合は、再築には地主の承諾必要である。
・ 存続期間満了前に建物が滅失した場合において(但し、法定存続期間に建物朽廃すれば借地権消滅。)、残存期間を超えて存続する建物 を再築することに地主が遅滞なく異議を述べなければ、滅失の日から堅固建物の再築の場合30年、非堅固20年存続期間延長し、合意によりこれより長くすることもできる(7、借地借家法は地主の承諾が必要。)。
・建物の滅失とは、自然的であっても人工的であっても、また、借地人が任意に取り壊したか否かにかかわらず、建物が滅失した場合の一切の場合をいう(最判昭38・5・21)。
・この異議に再築を阻止する効力はないが、従前の期間満了時における更新拒絶の際の正当事由の判断にあたり考慮される。
・再築にあたり、存続期間を超えて存続する建物を建築しない旨の特約は無効(最判昭33・1・23)。
・この規定は現在でも適用される(借地借家法附則7Ⅰ)。
・なお、借地借家法では、契約更新後の期間に建物滅失した場合、地主は借地契約の解約申入れができるが(借地借家法8)、この規定は、旧法の借地契約には適用されない(借地借家法附則7Ⅱ)。
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。 第617条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日
2 (省略)
第2条 借地権ノ存続期間ハ石造、土造、煉瓦造又ハ之ニ類スル堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ60年、其ノ他ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ30年トス 但シ建物カ此ノ期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅ス
2 契約ヲ以テ堅固ノ建物ニ付30年以上、其ノ他ノ建物ニ付20年以上ノ存続期間ヲ定メタルトキハ借地権ハ前項ノ規定ニ拘ラス其ノ期間ノ満了ニ因リテ消滅ス
第3条 契約ヲ以テ借地権ヲ設定スル場合ニ於テ建物ノ種類及構造ヲ定メサルトキハ借地権ハ堅固ノ建物以外ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノト看做ス
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 (省略)
3 第5条第1項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第5条 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス 此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス
2 当事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
第6条 借地権者カ借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 (省略)
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス 但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
借地借家法附則第5条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の朽廃による消滅に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第6条 この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
借地借家法附則第7条 この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長に関してはなお、従前の例による。
2 第8条の規定は、この法律の施行前に設定された借地権については、適用しない。
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