2016年5月4日水曜日

<借地借家法4>普通借地権の存続期間(3、4、7、8、附則5~7)

大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。

さて、今日は借地借家法の普通借地権の存続期間について見ていきましょう。

<存続期間>
・普通借地権とは、借地借家法施行後に設定された建物所有を目的とする地上権又は土地の賃借権で法定更新のある借地権(cf.1、2①)。

・法定存続期間は30年(3本、借地法では、堅固60年、非堅固30年(借地法2Ⅰ本))。但し、これより長い期間を定めたときはその期間(3但、借地法では堅固30年以上、非堅固20年以上の期間を定めたときはその期間(借地法2Ⅱ))。

・契約更新後の最初の法定存続期間20年、2回目以降は10年。但し、これより長い期間を定めたときはその期間(4、借地法では、堅固30年、非堅固20年。合意更新の場合にはこれより長い期間も可であるが法定更新の場合は法定存続期間のみ)。

・建物滅失しても借地契約は消滅せず、また、借地人は、土地所有者の承諾なく自由に建物を再築できるのが原則。

・もっとも、建物の種類、構造、規模、用途について借地条件が定められている場合に、これと異なる建物を再築するには地主の同意必要である。

・また、増改築制限特約ある場合は、再築には地主の承諾必要である。

・最初の存続期間中に建物滅失した場合において、存続期間を超えて存続する建物を再築したときは、地主の承諾あれば、承諾のあった日又は建物が再築された日のいずれか早い日から20年間(これより長い期間の合意も可)存続期間が伸長する(7Ⅰ、借地法の場合は地主は遅滞なく異議を述べなければならない) 。最初の存続期間であれば、借地人の通知を受けて2ヶ月以内に地主の異議なければ承諾みなし(7Ⅱ)。

・建物の滅失とは、自然的であっても人工的であっても、また、借地人が任意に取り壊したか否かにかかわらず、建物が滅失した場合の一切の場合をいう(最判昭38・5・21)。

・再築にあたり、存続期間を超えて存続する建物を建築しない旨の特約は無効(最判昭33・1・23)。

・(法定更新に限らず)契約更新後の建物滅失の場合、借地人から解約申入れできる(8Ⅰ)。また、契約更新後に承諾なく残存期間を超える建物を再築したときは、承諾みなし(7Ⅱ)の適用はなく、地主は解約申入れできる(8Ⅱ)。解約申し入れ後3ヶ月経過で借地権は当然に消滅(8Ⅲ、解約申入れに正当事由は不要)。

・なお、建物の朽廃による借地権消滅制度は借地借家法施行後の借地契約には適用されません(附則5反対解釈、建物の朽廃による借地権の消滅)。

・7、8条は遡及しない(附則7)。


第3条  借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
第4条  当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から10年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、20年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
第7条  借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失(借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。)があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続する。ただし、残存期間がこれより長いとき、又は当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間による。
2  借地権者が借地権設定者に対し残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する旨を通知した場合において、借地権設定者がその通知を受けた後2月以内に異議を述べなかったときは、その建物を築造するにつき前項の借地権設定者の承諾があったものとみなす。ただし、契約の更新の後(同項の規定により借地権の存続期間が延長された場合にあっては、借地権の当初の存続期間が満了すべき日の後。次条及び第18条において同じ。)に通知があった場合においては、この限りでない。
3  転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする建物の築造を借地権者がする建物の築造とみなして、借地権者と借地権設定者との間について第一項の規定を適用する。
第8条  契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
2  前項に規定する場合において、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は、地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
3  前二項の場合においては、借地権は、地上権の放棄若しくは消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れがあった日から三月を経過することによって消滅する。
4  第一項に規定する地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをする権利は、第二項に規定する地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをする権利を制限する場合に限り、制限することができる。
5  転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする建物の築造を借地権者がする建物の築造とみなして、借地権者と借地権設定者との間について第二項の規定を適用する。
附則第5条  この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の朽廃による消滅に関しては、なお従前の例による。
附則第6条  この法律の施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による
附則第7条  この法律の施行前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長に関してはなお、従前の例による。
2  第8条の規定は、この法律の施行前に設定された借地権については、適用しない。


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