2016年5月7日土曜日

<借地借家法7>普通借地権が契約更新されない場合の建物買取請求権(13、附則9)

大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。

本日は借地契約に特有の建物買取請求権についてみていきましょう。

<契約更新されない場合の建物買取請求権(13)>
・借地権の存続期間が満了し、契約が合意更新されず、法定更新(5、6)もされない場合、、借地権は期間満了により消滅する。この場合、建物収去・土地明渡(民269、616・598)が原則のところ、建物買取請求権が認められている(13Ⅰ)。

・地主への意思表示で当然に売買契約が成立し、所有権移転義務と代金支払義務は同時履行(大判昭7・1・26)。→代金支払いまでは借地人は建物の引き渡しを拒むことができるが、地主に対し賃料相当損害金を支払わなければならない(最判昭35・9・20)。

・地主の承諾を得ないで借地権の存続期間を超えて存続する建物を築造した場合、裁判所は、建物買取代金の支払いに相当の期限を付与することができる(13Ⅱ)→借地法にはなかった規定であり、旧法時代の借地契約には遡及適用されない(附則9Ⅰ)。

・建物収去土地明渡認容判決確定後においても請求可(最判昭52・6・20)←時機に遅れたものではない。

・借地権消滅後10年で時効(最判昭42・7・20)

・借地権消滅後の建物買受人は建物買取請求権を有さない(大判昭16・6・20)

・建物の時価とは、建物が現存するままの状態における価格をいい、借地権価格は含まれないため、一般の建物価格に比べ低額となる。もっとも、建物の存在する場所的環境(裁判実務上借地権価格の20~30%)は参酌される(最判昭35・12・20)

・建物に抵当権が設定されていても建物の時価は減額されるべきではない(最判昭39・2・4)

・建物の時価の算定に当たっては、建物賃貸借の存在は当然に考慮される。

民法第616条  第594条第1項、第597条第1項及び第598条の規定は、賃貸借について準用する。
民法第598条  借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。
第13条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
2  前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
3  前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。

〒561-0829
大阪府豊中市千成町三丁目9番1号
村尾マンション1F
伊東司法書士事務所
司法書士 伊東弘嗣
電話06-6398-9083

0 件のコメント:

コメントを投稿