2016年5月8日日曜日

<借地借家法8>借地権の譲渡・転貸(14、19、20)

大阪府豊中市の司法書士の伊東弘嗣です。

借地権の譲渡・転貸に関しては、旧法時代の借地契約の場合も借地借家法が適用されますので、こちらでしっかり理解しましょう。

<借地権の譲渡・転貸>
・借地権が地上権であれば譲渡・転貸に地主の承諾不要。

・借地権が土地賃借権であれば地主の承諾必要(民612Ⅰ)。承諾ないことは土地賃借権の解除原因(民612Ⅱ)。

・承諾なければ地主に対し効力がなく、解除しなくても譲受人・転借人に建物収去土地明渡請求できる(最判昭26・5・31)。

・借地上の建物の譲渡により当然に借地権の譲渡・転貸となる(民87Ⅱ参照)。

・建物の譲渡・転貸の場合に限り、代諾許可の裁判(19Ⅰ)。

・承諾料(19Ⅰ)は借地権価格の10%前後が目安。

・この裁判中に地主の建物優先買受けの申立をすることができる(19Ⅲ)。

・承諾ない場合、建物収去・土地明渡が原則のところ、譲受人・転借人による建物買取請求権(14)。この建物買取請求権の性質、内容等は契約更新されない場合の建物買取請求権(13)と同様。

・転々譲渡されている場合は、最後の譲受人が建物買取請求権を有する(大判昭9・4・24)

・競売又は公売の場合、2ヶ月以内に代諾許可の裁判を申し立てないと借地権を地主に対抗できない(20Ⅲ)。

民法第612条  賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2  賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
第14条  第三者が賃借権の目的である土地の上の建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
第19条  借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
2  裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
3  第1項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立てをしたときは、裁判所は、同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを命ずることができる。この裁判においては、当事者双方に対し、その義務を同時に履行すべきことを命ずることができる。
4  前項の申立ては、第1項の申立てが取り下げられたとき、又は不適法として却下されたときは、その効力を失う。
5  第3項の裁判があった後は、第1項又は第3項の申立ては、当事者の合意がある場合でなければ取り下げることができない。
6  裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第1項又は第3項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。
7  前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。
第20条  第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。
2  前条第二項から第六項までの規定は、前項の申立てがあった場合に準用する。
3  第一項の申立ては、建物の代金を支払った後2月以内に限り、することができる。
4  民事調停法第19条の規定は、同条に規定する期間内に第1項の申立てをした場合に準用する。
5  前各項の規定は、転借地権者から競売又は公売により建物を取得した第三者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第2項において準用する前条第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。

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